Be With Produce KIRALAN VOICE LAND VOL.16 『Spiral』考察・感想 1日目1回目

1/12・13 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット

KIRALAN VOICE LAND VOL.16 MORGU × CHRONICLE Ⅰ 『Spiral』

 

 

 

※熊谷さんのファンの感想なので偏ってます

※主観満載です

※記憶喪失のためストーリーの正確さは保証できません

 

 

 

  今回は、キラランさんの新作脚本の初上演に推しが抜擢されたということで、前回のLOVE×LETTERSが本当に良かったこともあり、めちゃくちゃ楽しみにしていました。

 

 

 

  前回同様、2日間6公演、1日目と2日目で役を交換しての3公演マルチエンディング。会場は横須賀芸術劇場小劇場=ヨコスカ・ベイサイド・ポケット。前回は画廊などを開催するほどの小規模なフリースペースでしたが、今回は小劇場ということもあり会場の椅子や広さ、スタッフさんの対応が良かったです。すぐ近くにイオンやジーンズメイトがあったので時間をつぶせたのも好印象でした。

 

 

 

  私は1日目通しと2日目の3公演目を観劇しました。前回と同じく、台詞のそこら中にちりばめられた伏線を1回の結末ごとに回収していく展開でしたが、なんというか前回よりも、1つの結末のためにちりばめられた伏線がそれぞれに独立していたような気がします。だから、1回目だけ観ると疑問に思う点が多くあるように感じました。前回って、1回目でもけっこう納得のいく伏線回収だったと思うんです。もうほとんど記憶が無いので信憑性のかけらもありませんが。ファンタジー物なので、少し因果関係をぶっ飛ばしても目を瞑れるっちゃ瞑れるんですけど、それでも気になる点が1回目は多い。でも2回目を観ると、なるほど、この結末のための伏線だったのね、と納得できました。ただそれは1回目も2回目も見た人だから分かることで、2回目だけだと1回目で回収した伏線を回収していないので疑問に残る点がある。もちろん、3回すべてを観るなんて無理だと思うんです。私も今回は4回しか観られていないからあんまり大きくは言えないんですけど。それでも、やはりキラランさんの朗読劇は、3回すべてを通して見た場合と見なかったときでは感想が全然違ってくる作品だと思うので、もし推しが出演される際は1日だけでも通しで観て欲しい。あらためてそう思いました。

 

 

 

個人的には、LOVE×LETTERSは1+2=3、Spiralは1・2・3。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※以下、ネタバレしかないです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ストーリー》

 

魔女伝説が息づく町・モルグ。

 

探偵を生業にしているエリクサーの元に、レイスと言う行方不明の男を探してほしいと依頼が入る。手がかりは「絵本」と「指輪」。調査中にエリクサーは、ある集落へ辿り着くが……。(「kiraran16」より引用、「Be With Produce」http://www.bewith-gogo.com/kirakiraland/kiralan16.html(2019/1/17 アクセス))

 

 

 

  ダークファンタジーと聞いていたのでどんな方向で来るのかワクワクしていましたが、朗読劇で出来る範囲での良いダークファンタジーでしたね。推しの探偵役は今までなかったので新鮮でしたし、会場が広くなったことによってモニターの映像演出と効果音、マイクの使用と前回よりも演出面でのグレードアップも感じました。曲名リスト教えて下さい。

 

 

 

  物語の舞台となっている、モルグの街。モルグはフランス語で、“死体安置所”という意味だそうです。何となく調べたらこれが一番最初に出てきて、いやしんどかったです。それでゲシュペント村はどこの結末でも焼き尽くされているから、モルグ=死体安置所から焼かれるゲシュペント村に向かうのって、本当に死体を火葬する前の死体安置所みたいで恐ろしいですね。

 

 

 

《1日目1回目》

 

エリクサー:熊谷さん

 

レイス:ずんたさん

 

 

 

〇結末〇

レイスは20年前に死んでいた。村で疫病が流行り、死者が増えたのは村で唯一の医者だったレイスの母親が原因だと濡れ衣を着せられ、2人とも虐殺されていたのだ。虐殺される前、20年前の雨の日にレイスが出会ったゴーストは悪魔で、レイスの3つの願いごと(・復讐・再生)を叶えたら魂を奪うという契約を交わしていた。その悪魔がエリクサーだった。しかし、再生の願いを叶える前にレイスの魂が行方をくらましてしまう。そして20年後にモレラの森の奥にたどり着き、レイスが村人のいない幸せな村を再生した。そうして3つの願いごとを叶えたので、悪魔=エリクサーは魂を奪いに来て、レイスにすべてをネタばらししてから本を閉じた。

 

 

 

 1回目は1回目なだけに、説明をかっ飛ばした印象でした。雨の日に、どこでどんな経緯でどんな会話をして悪魔とあんな契約をしてしまったのか。何故、レイスは20年間も彷徨ってモレラの森の奥に辿りついたのか。貴族の末裔はどこに行ってしまったのか。村長はいつ帰ってくるのか。知りたいことが多すぎる。今となっては1回目のくまエリクサーがどのような演技をしていたのか朧げで己の記憶力のなさが憎い。他の回は結末によってお2人とも演じ方を分けていらっしゃったと思うので、ストーリーを把握した上でもう1回見せてくれ頼む。

 

 

 

   私は1日目の1回目しか観られていないので、くまエリクサーとずんたレイスの感想のみで失礼します。

 

 

  くまエリクサー、足を組んで座るのがデフォルトだったので、ずんだエリクサーもそうなのかなって思ったら一度も足組まなくて推しのデフォルトだと思ったOPでモニターにタイトルが映るときに2人が左右に座ってるとき、推しが足組んでる様が様になりすぎ様式美。

ずんたレイス、衣装で十字架のネックレスをしていたのでそれも相まって牧師にしか見えなかったです。

 

 

くまエリクサーは、絵に描いたような適当な探偵さんだったので、まぁ死ぬとしたらエリクサーなんだろうなと見てかかった私には衝撃の展開でした。いやそっちがラスボスなんかい!好き!もう適当な探偵から悪魔への変貌を遂げるシーンが好きすぎる。推しの悪魔の演技最高ありがとうございます。女神転生の神父様とか上カルビ様を彷彿とさせる方向の気持ち悪い演技!熊谷さんは上体を動かして演技されるので、上半身がゆらゆらしながらネタ晴らしをする演技が良かった!!!そしてそれまで私は絶対悪役だと思ってたずんたレイスがうろたえているさまが爽快だった。見事に騙されました。いやだってあんな、行方不明になった青年が終始ニコニコ丁寧に接して居たら2000年代のアニメに育てられた脳はこいつ絶対悪いやつだって判定をしてしまう。

 

 

 

  それはともかく、ずんたレイスの「おーいエリクサー」と呼ぶ声が今でも遠くから聞こえる気がしてこわい。

 

 

 

   エリクサー=悪魔がレイスの元を訪れる流れとしては、レイスが飼っていた黒猫のレジュメルスが依頼人として悪魔のもとを訪れて、飼い主であったレイスの居場所を教えてしまった。そもそも黒猫が依頼人としてきたこと自体、悪魔の作り出した茶番のひとつだったと思ってるんですが、大好きな飼い主の元へ飼い主の魂を奪う悪魔を向かわせてしまう役回りに黒猫をあてがう悪魔のらしいこと。でも、悪魔に駒の一つとして操られていたのだとしても、悪魔に伝えた「誰も信じてはいけません」という助言は、おそらくレイスに向けたメッセージだったんじゃないかなぁと思うんです。そうなると絵本のなかに挟んであった、手紙の内容が気になるところではありますが。結局のところ、レイスが初めて描いた絵本のなかでもあった、「使い魔候補の黒猫が蜘蛛の糸」という一文の「蜘蛛の糸」は、レイスではなく悪魔が引いてしまったのは、皮肉ですね。というか「使い魔候補」という表現の時点で、悪魔の使い魔という解釈もできるので、本当に悪魔のらしいこと。

 

 

 

  そういえば、魔女伝説というキーワードを回収をしたのは1回目だけだったかなと。レイスの母親が魔女として村人に虐殺される様を見た少年のレイスの心の傷といったら。そら死ぬ間際に復讐ぐらい望んじゃいますわ。ところで、村で疫病が流行ったのは、本当に偶然だったんでしょうか?それにしても、20年間も、まぁ悪魔にとっちゃ20年なんて瞬きぐらいの体感時間かもしれませんが、それでも時間をかけてあちこちを探し回って、やっと見つけたと思ったら盛大なネタ晴らしをするまでの茶番劇を緻密に練るほどに欲しい素直で綺麗な魂って、どんな色をしているんでしょうね。

 

 

 

   それはともかく最後のエリクサーが台本を閉じて、まさに絵本のなかのレイスの世界を閉じる演出がとにかく大好きです。熊谷さんの本の閉じ方も美しかったです。